朝日杯フューチュリティS2021 セリフォス ジオグリフ ダノンスコーピオン
今回は、12月19日日曜日に阪神競馬場で行われます、
G1「朝日杯フューチュリティステークス」を分析していきます。
主な出走予定馬の近走のレース内容を分析して有力馬を絞り込んでいきたいと思います。
ぜひ参考にして頂ければと思います。
まずは登録馬をご覧ください。
想定人気順に並べてあります。
デイリー杯2歳S勝ち馬のセリフォス
札幌2歳S勝ち馬のジオグリフ
萩S勝ち馬のダノンスコーピオン
あたりが上位人気想定です。
全部で19頭が登録しており、フルゲートは18頭となっています。
これらの馬の過去レース分析として、この5つのレースを回顧していきたいと思います。
上位人気想定の馬が出走ているレースを主に選びました。
まずはデイリー杯2歳Sを見ていきます。
このレースの出走馬からは2頭が朝日杯フューチュリティステークスに登録しています。
ちなみにこの動画では、パトロールビデオの映像を引用しています。
レース中の位置取りや不利を確認しやすいので、活用したいと思います。
まずはスタートです。
7頭立ての少頭数で、セリフォスは6枠6番、プルパレイは7枠7番です。
プルパレイは好スタートを切り、セリフォスもまずまずのスタートでした。
スタートから200m地点ではプルパレイは外から先行して3番手、セリフォスは後方に控えています。
激しい先行争いはなく、序盤は無難に進みます。
動きがあったのはスタートから400mあたりで、プルパレイが外から先頭に並びかけていきました。
促して行ったという感じではなく、前の馬がペースダウンをしようとしたところにプルパレイはペースを落とさず、
その結果自然と先頭に立ったという感じでした。
セリフォスは後方をゆっくり追走しています。
3コーナーでは、プルパレイが単騎先頭に立っています。
セリフォスは前から離れた位置を追走し、そろそろ差を詰めていこうという段階です。
3~4コーナー中間でもプルパレイが先頭ですが、さきほど離れた後方にいたセリフォスがここまで押し上げています。
このあたりからようやくレースに参加しだした感じです。
4コーナーを周り、直線入口の画像です。
先頭のプルパレイは少し外に出しながら追い出そうとしています。
セリフォスは楽な手ごたえで、少し膨らみながら大外を回ってきました。
残り200mあたりでは、プルパレイはまだ先頭ですが、後続に差を詰められ苦しい状況です。
セリフォスは大外から豪快に伸びてきます。
最後はセリフォスが差し切って1着でゴール。
プルパレイは少し離れた4着でゴールしました。
それでは、2頭の評価のまとめです。
セリフォスはゆったりした流れの中を後方で悠々と構え、4コーナーで膨らむロスも問題にせず直線良く伸びて、着差以上に危なげない勝利でした。
これで新潟2歳ステークスに続き重賞連勝となりましたが、どちらも上がり最速で、スローペースからの瞬発力勝負での強さは十分実証されたと思います。
GⅠでは頭数も増えペースが上がると思いますが、もしハイペースの消耗戦になっても、今回のように後方で脚を溜められれば対応できると思います。
クリスチャン・デムーロ騎手を鞍上に迎え陣営も必勝態勢で、最有力の1頭になりそうです。
プルパレイは途中から先頭に立ち粘りこむというレース運びで、それ自体は悪くなかったと思いますが、瞬発力に優れた上位馬に切れ負けした感じです。
前半からペースが流れて持続力勝負になれば上昇があるかもしれません。
以上が、デイリー杯2歳出走各馬の評価となります。
次は札幌2歳ステークスを見ていきます。
このレースからはこちらの2頭が朝日杯フューチュリティステークスに登録しています。
まずはスタートです。
ジオグリフは8枠9番で、そろっと出す感じでゆっくりとしたスタートでした。
エーティーマクフィーは4枠4番で、こちらはまずまずのスタートです。
1コーナーの入りはこのような感じです。
エーティーマクフィーは内の5番手で、良い位置です。
ジオグリフは最後方からの競馬となりました。
2コーナーから向こう正面まで、このままの隊列で進みます。
スタートから800mあたりの向こう正面の画像です。
青い帽子のエーティーマクフィーは変わらず内の5番手にいます。
ピンク帽のジオグリフも依然最後方で、外目に出しながら進出のタイミングを伺っています。
3コーナーの画像です。
ジオグリフが外から進出を開始しています。
鞍上のルメール騎手はすでに勝利を確信しているかのように、余裕を持って外を周りながら1頭ずつ交わしていきます。
レースは前半1000mが60秒3のペースで、ここまでほぼ一定のペースを刻んでおり、持続力勝負の様相です。
3~4コーナー中間では、ジオグリフはすでにここまで上がってきています。
先頭の馬のペースは変わっていませんのでジオグリフがロングスパートをかけている形です。
エーティーマクフィーは内の良い位置をキープし何とかついていこうとしているところです。
4コーナーではジオグリフはすでに先行集団にとりついて、前を射程圏に収めています。
エーティーマクフィーはジョッキーの手が動いており、苦しくなってしまいました。
残り200mでジオグリフは先頭に立ちます。
ルメール騎手の手ごたえは楽なままで、肩ムチを一度入れた程度で強くは追っていません。
エーティーマクフィーは伸びずに、前と離されてしまいました。
結局ジオグリフが4馬身差で圧勝しました。
最後の100mではルメール騎手が振り返って後ろの馬との差を確認する余裕があるくらいの楽勝でした。
エーティーマクフィーは離れた7着でゴールしました。
それでは、2頭の評価のまとめです。
ジオグリフは1頭だけ次元の違う走りで圧勝しました。
レースは一定のペースを刻み続ける持続力勝負の流れとなりましたが、その中で残り800mから加速を開始して、最後まで楽な手ごたえのまま走り切るという非常に強い内容でした。
朝日杯では1600mへの対応が鍵になりそうですが、ペースが流れて同じような持続力勝負になれば、今回と同様かそれ以上のパフォーマンスも期待できるのではないかと見ています。
エーティーマクフィーはインの良いポジションが取れて、道中の運びもスムーズだったと思いますが、伸びきれませんでした。
現状では上位馬との力の差が大きいようです。
以上が札幌2歳出走各馬の評価となります。
次は京王杯2歳ステークスを振り返ります。
ここからはこちらの3頭が朝日杯フューチュリティステークスに登録しています。
まずはスタートです。
5枠8番のトウシンマカオは好スタートを切って先行態勢です。
4枠5番のベルウッドブラボーはあまり良いスタートではなく、ここから位置を下げてしまいます。
また8枠13番のヴィアドロローサですが、隣の12番のジャスパークローネがスタート直後に外に大きく寄ってしまい、ヴィアドロローサは思い切り前をカットされてしまっています。
ヴィアドロローサはジャスパークローネを避けるために外に膨らんでしまい、位置も大きく下げておりこの時点でレース終了といった感じになってしまいました。
3コーナーでは、トウシンマカオは4番手の好位置ですが、ベルウッドブラボーは後方で、右に張っている感じでぎこちないコーナーリングになっています。
ヴィアドロローサはスタートの不利が響きこちらも後方です。
レースは前半600mが35秒1と、1400m戦にしてはゆったりしたペースで、後ろの馬には厳しい流れになっています。
4コーナーでは、トーシンマカオは4番手で絶好の位置。
ベルウッドブラボーは後方の外目、ヴィアドロローサは最内でコーナーのロスをなくし、少しでも前との差を詰めようとしています。
残り400m地点では、トーシンマカオはまだ楽な手ごたえで、仕掛けのタイミングを計っているところです。
ベルウッドブラボーは大外。
ヴィアドロローサは徐々に外に出しながら、少しでも着順を上げようと進路を探しています。
残り150m地点では、トウシンマカオは2番手から前の馬を捕まえようかというところ。
ヴィアドロローサは進路はできたものの前との差が開いてしまい、上位争いはすでに難しい状況ですが、脚は使っています。
ベルウッドブラボーもバテてはいませんが、前が止まらず苦しい状況です。
そしてゴールとなります。
結局トウシンマカオは前の馬を捉えられず2着でした。
ヴィアドロローサは8着、ベルウッドブラボーは9着でした。
それでは3頭の評価のまとめです。
トウシンマカオは好位からレースができる器用なタイプで安定感はありますが、このレースでも勝ちきれなかったように決め手に欠ける印象です。
瞬発力勝負ではキレ負けしそうなので、平均ペースからややハイペースくらいの持続力戦で、粘りこむ形に持ち込みたいところです。
ヴィアドロローサはスタートの不利がすべてで、この結果は度外視で良さそうです。
上がりは33秒5とメンバー最速で、道中最後方でほとんどレースをしていないので一概に評価はできないものの、能力の一端は見せられたと思います。人気にならなそうな分妙味もあり、密かに狙ってみたい1頭です。
ベルウッドブラボーは終始スムーズさを欠いていました。スムーズなら上昇が見込めますが、それでもGⅠの舞台は荷が重い印象です。
以上が京王杯2歳ステークス出走各馬の評価となります。
次は萩ステークスを見ていきます。
このレースからはダノンスコーピオンが朝日杯フューチュリティステークスに登録しています。
まずはスタートですが、ゲートが開く直前に4番の馬が立ち上がろうとするそぶりを見せたり落ち着かず、それにつられて隣のダノンスコーピオンも少しカリカリする動作を見せたところでゲートが開き、若干タイミングがずれたスタートとなりました。
ただゲートを出た後は馬も落ち着き、大きな不利にはなりませんでした。
スタートから2000m地点では、ダノンスコーピオンは2番手につけています。
やや前に行きたがるそぶりを見せていますが、折り合いを欠くというほどではなく、コントロールできていたと思います。
スタートから400mの地点では、ダノンスコーピオンは3番手に落ち着きました。
前に逃げ馬を置いて、良い位置につけられました。
3コーナーではほぼ縦1列の隊列となりました。
前半600mが36秒5と、ゆったりしたペースでレースは進みます。
3~4コーナーでは各馬が動き出し、1番人気のキラーアビリティも外から上がっていきます。
ただレース自体のペースは上がっていず、引き続きスローな展開です。
ダノンスコーピオンは少し外に出しつつも、キラーアビリティの内でじっとしています。
このような隊列で各馬直線へと向かっていきます。
直線に入ってダノンスコーピオンは大外に出しますが、この時点ではまだ強くは追っていず、前のキラーアビリティの動きを見ながら仕掛けのタイミングを伺っています。
そして内回りコースとの合流点のあたりでダノンスコーピオンは強く追い出し、前のキラーアビリティを追いかけます。
残り200mではキラーアビリティが先頭に立っています。
ダノンスコーピオンは外からじりじりと差を詰めているところですが、キラーアビリティとは間隔を開けています。近づいて併せ馬になってしまうと相手がもうひと伸びしてしまうおそれがあるため、それを防ぐための作戦と思われます。
その後は2頭が後ろを離しての追い比べとなりますが、最後はダノンスコーピオンが差し切って1着でゴールしました。
それでは、ダノンスコーピオンの評価のまとめです。
適度な前進気勢を持ちつつ、騎手の指示に従って控える冷静さも併せ持っています。
先行できて、かつ速い上がりも使え、総合力が高い馬という印象です。
他のレースを使ってきたライバルとの力関係は未知ですが、このレースでも3着以下に差をつけていることから世代上位であることは確かだと思います。
本命にも無印にもしづらいですが、取捨はオッズ次第になりそうです。
最後のレース回顧はアイビーステークスです。
こちらのレースからはドウデュースが朝日杯フューチュリティステークスに登録しています。
まずはスタートです。
ドウデュースは4枠4番で、比較的良いスタートを切れました。
左右の馬に挟まれて若干狭くなりましたが特に不利にはならず、ここから好位につけていきます。
スタートから200mの地点では、外目の4番手につけました。
やや馬が行きたがるそぶりを見せており、鞍上の武豊騎手がなだめているところです。
スタートから400mの地点ではだいぶ馬も落ち着いていたように見えました。
前に馬を置いて壁を作れればベストでしたが、比較的良いポジションと言えると思います。
3~4コーナー中間でもポジションは変わっていません。
レースの前半1000mは61秒6とゆったりしたペースで進んでいます。
そのまま直線を迎え、ドウデュースは外から前の馬を射程圏に入れながら、仕掛けのタイミングを待ちます。
残り300mあたりで仕掛けると、ドウデュースは反応良く加速して、楽に先頭に立ちます。
この時点ですでに勝ちパターンに入っています。
ただ抜け出してからソラを使ったようで後続を突き放すことはできず、内の2番の馬と外の1番の馬に差を詰められます。
それでもドウデュースは最後まで凌ぎ切り、2着と半馬身差の1着でゴールしました。
それではドウデュースの評価のまとめです。
好スタートから好位につけて折り合い、道中もスムーズに外目を追走し、直線でも楽な手ごたえから反応良く抜け出し凌ぎきるという、理想的な競馬ができていたと思います。
ただ少頭数のスローペースで、馬群に揉まれることもなく、先行抜け出しという形で、楽なレースだったことも確かだと思います。
GⅠで多頭数になり他の馬との摩擦も増え、かつペースも上がりタフな流れになった時に同じような走りができるかについては、不安が残る印象です。
以上、5つの参考レースについて回顧してみました。
これまでの各馬の分析内容から、今年の朝日杯フューチュリティステークスの推奨馬を、このように選ばせて頂きました。
推奨度Aはジオグリフにしました。
スローペースから上がり勝負の競馬で勝ち上がってきた馬が多い中、この馬は前走で比較的タフな流れのレースを圧勝しており、GⅠの舞台でその経験が生きると思います。
1600m戦の経験はないですが、それよりも持続力戦の経験のほうを評価しました。
仮に瞬発力勝負になっても、新馬戦では33秒3の速い上がりも使えており、対応できると見ています。
スタートで極端に出遅れなければ好勝負必至という見立てです。
推奨度Bはセリフォスにしました。
前走の内容も良く、マイル重賞連勝の実績は順当に評価できると思います。
推奨度Cはダノンスコーピオンとトウシンマカオにしました。
他の馬との力関係は未知数ですが、どちらも好位で競馬ができ、安定して力を発揮できそうな点を評価しました。
また注目穴馬として、前走ではスタート直後の不利の影響で大きく負けたものの、上がり最速の脚を見せたヴィアドロローサを挙げておきます。
あとは当日の馬場状態や枠順なども考慮して、最終的な買い目を決定したいと思います。
最終予想はましこん競馬のツイッターで公開していますので、ぜひそちらも合わせてご覧ください。
以上、2021年の朝日杯フューチュリティステークスの出走予定馬を、過去の参考レースを元に分析してみました。
最後までご視聴頂きまして、ありがとうございました。