■阪神大賞典 2022【パトロールビデオ】レース分析

 

今回は、3月20日に阪神競馬場で行われます「阪神大賞典」を分析していきます。
主な出走予定馬の近走のレース内容を分析して、有力馬を絞り込んでいきたいと思います。
ぜひ参考にして頂ければと思います。

 

 

それでは早速、阪神大賞典の分析に入ります。

まずは登録馬をご覧ください。
想定人気順に並べてあります。
ディープボンド
マカオンドール
アイアンバローズ
あたりが上位人気想定です。

これらの馬の過去レース分析として、この3つのレースを回顧していきたいと思います。
想定人気が上位の馬が出走しているレースを主に選びました。

まずは有馬記念を振り返ります。
このレースの出走馬からは、こちらの2頭が阪神大賞典に登録しています。

ちなみにこの動画では、パトロールビデオの映像を主に引用しています。
各馬の位置取りや不利なども確認しやすいので、活用したいと思います。

まずはスタートです。
3枠5番のディープボンドは良いスタートです。
4枠8番のユーキャンスマイルもまずまずのスタートを切っています。

1周目の4コーナーのあたりでは、ディープボンドは先行集団の真ん中につけています。
ユーキャンスマイルはいつも通り後方からの競馬です。

スタートから1000mは59秒5で、先頭のパンサラッサがハイペースで飛ばし、縦長の隊列になっています。
2頭の位置は大きく変わらず、ディープボンドは先行集団で、ユーキャンスマイルは後方です。

2周目の3~4コーナーあたりでは各馬が進出を開始し馬群が凝縮してきていますが、こちらの2頭に関してはまだ目立った動きはありません。
ディープボンドは馬群に包まれた形になっており、一瞬の脚がないこの馬にとっては少し嫌な形になっています。

ところがそのあとすぐに内にスペースができると、ディープボンドは瞬時の判断でそこに飛び込み、すかさずゴーサインを出します。
結果的にここでの進路取りが、ディープボンドにとってかなり大きなアドバンテージになりました。

ディープボンドは4コーナーを最内の最短距離で回りポジションを上げると、直線入口では前の2頭を交わすためにすでに外に出す態勢に入っています。

残り250mの地点ではディープボンドは馬場の真ん中に持ち出しており、あとは追うだけという状況です。
ユーキャンスマイルは大外で、ロスが大きい進路取りになってしまっています。

残り100mではエフフォーリアが先頭に立っていますが、内でディープボンドも必至に食い下がっています。
ユーキャンスマイルは前には離されてしまいましたが、外からじわじわと伸びてきています。

そしてゴールを迎えます。
エフフォーリアが1着で、ディープボンドはそこから3/4馬身差の2着でゴールしました。
ユーキャンスマイルは9着でゴールしています。

それでは2頭の評価のまとめです。
ディープボンドは道中は好位につけてロスなく運び、2周目の3~4コーナーでは馬群に包まれそうになるところを、
最内に開いた1頭分のスペースを突くという、最高の立ち回りを見せました。直線でも最後までしぶとく伸びて、強敵相手に堂々の内容でした。
淀みない流れでスタミナを要する展開になったこともプラスに働いたようです。
先行脚質で立ち回りも上手く、スタミナは折紙付きということで、不安点はほとんどなく負けられない立場だと思います。最有力の1頭です。

ユーキャンスマイルはいつも通り道中は後方待機で、最後の直線では大外に持ち出す大味な競馬となってしまいました。
ただこの有馬記念を含め秋のGⅠはどれも距離不足で適鞍ではないと思いますので、結果は度外視していいと思います。
今回は今のこの馬にとって久しぶりの適正条件だと思いますので、巻き返し可能と見ています。

以上が有馬記念出走の2頭の評価となります。

 

 

次はステイヤーズSを振り返ります。
このレースの出走馬からは、こちらの6頭が阪神大賞典に登録しています。

まずはスタートです。
4枠8番のトーセンカンビーナが、ゲート内で立ち上がってしまい、出遅れています。
5枠6番のアドマイヤアルバはゲートは出ましたがダッシュがつかず、後方からの競馬となります。
それ以外の4頭はまずまず良いスタートを切っています。

1周目の1コーナーではこのような形になっています。
シルヴァーソニックが外から先行し、その後ろにゴーストとアイアンバローズがつけており、アイアンバローズは少し行きたがっています。
マンオブスピリットは中団で、出遅れたトーセンカンビーナとアドマイヤアルバは後方です。

こちらは1周目の向こう正面、スタートから1000mあたりですが、ここではアイアンバローズが先頭に立っています。
それ以外の4頭の位置取りは大きく変わりません。
前半1000mは65秒3と、ゆったりしたペースできています。

こちらは2周目の1コーナー手前ですが、後方にいたトーセンカンビーナが中団まで位置を上げています。
鞍上の横山武史騎手はレース後、「あの位置では無理だと思ったので道中で動いていった」とコメントしています。

ここまでゆったりと進んでいましたが、2周目の向こう正面に入ったあたりから、ペースが徐々に上がっていきます。
後方の馬も外目に持ち出して、進出する準備をしている様子です。

2周目の3~4コーナー中間あたりでは各馬ゴーサインを出してさらに加速していきます。
アイアンバローズがまだ楽な手ごたえで先頭をキープし、シルヴァーソニックが外から上がっていきます。
トーセンカンビーナはやや反応が鈍い感じです。
ゴーストとマンオブスピリットは内を回ってロスを抑えています。
アドマイヤアルバは依然後方です。

そして最後の直線に入ります。
ゴーストはやや窮屈になっており、マンオブスピリットも前が壁になっていますが、どちらも前の馬が止まっていないので、さほどの不利にはなっていません。
トーセンカンビーナは外目に持ち出しています。

残り200mでも前の各馬の脚色は衰えず、アイアンバローズがまだ先頭をキープしています。
外のトーセンカンビーナは少し置かれてしまっていますが、坂を上ったあたりからようやく脚を伸ばしてきます。

そしてゴールを迎えます。
アイアンバローズは最後まで粘りを見せて2着に入り、シルヴァーソニックはそこから少し離されての3着でした。
最後に伸びたトーセンカンビーナが4着、ゴーストは5着。マンオブスピリットはこの後ろの6着、アドマイヤアルバは9着でした。

それでは各馬の評価のまとめです。
アイアンバローズはいったんは控えましたがやや行きたがり、途中から先頭に立つ形になりました。
先頭に立ってからは落ち着いた走りで脚を溜められ、最後まで良い粘りを見せました。
コントロールできる範囲の前向きな気性は好印象で、先行脚質もプラスになりそうです。
相手は強くなりますが、注意したい1頭です。

シルヴァーソニックは外枠から先行し、道中は流れに乗ってスムーズなレース運びに見えました。こちらも最後まで粘りを見せて、上位入着を果たしました。
スタミナがあり長距離戦は向きそうですが、ここからの大きな上昇は見込みづらく、相手が強くなる今回は苦戦しそうです。

トーセンカンビーナは出遅れて前半は後方からの競馬となり、途中で中団まで押し上げましたが、
3~4コーナーの勝負所での反応が鈍く、後手に回ってしまった感じです。それでも最後は良い脚で伸びて力の一端は見せました。
出足が良くなく後方からの競馬になりがちで、ズブさも見られることから、
直線が短いコースはプラスにはならなそうです。長距離での末脚は確かな馬ですが、今回は相手までという評価です。

ゴーストとマンオブスピリットはどちらも内目をロスなく立ち回り、現状の力は出せたと思います。
大きな変わり身は見込みづらく、相手強化の今回は静観したいと思います。
アドマイヤアルバは後方追走で最後にバテた馬を数頭かわしただけという内容で見どころはなく、今回も厳しいレースになりそうです。

以上がステイヤーズS出走の各馬の評価となります。

最後の過去レース回顧は万葉ステークスです。
このレースの出走馬からは、こちらの5頭が阪神大賞典に登録しています。
ここでは、これまでのレース回顧でまだ触れていないマカオンドール、シロニイ、タイセイモナークの3頭を中心に振り返りたいと思います。

まずはスタートです。
マカオンドールは6枠9番で、ゆっくりとしたスタートになっており、後方からの競馬となります。
5枠6番のタイセイモナークと、5枠7番のシロニイの2頭は良いスタートを切っています。

1周目の3コーナー手前の地点ではこのような隊列になっています。
先頭は3頭が並走しており、ペースが落ち着いていない状況です。
タイセイモナークは内に入れて折り合いをつけようというところです。
マカオンドールは後方で、馬群がばらけて単騎で走っているような形になっています。

前半1000mは60秒3で、ここまでは淀みなく流れています。
シロニイが2番手につけ、タイセイモナークは先行集団の後ろの内にいます。
緑帽のマカオンドールは後方の内で、前を壁にして折り合いをつけようとしています。

次の1000mは64秒6かかっており、中盤はペースが落ちていました。
各馬位置取りに大きな変化はありません。
マカオンドールは依然後方ですが、ここまでで脚は十分溜まっている感じです。

こちらは2周目の3~4コーナー中間ですが、シロニイが早め先頭に立っています。
タイセイモナークはすでにムチが入っています。
マカオンドールはできれば外に出したい素振りを見せていましたが、外からフタをされた状態で動けず、結局このまま内を回り続けることになります。

そして最後の直線へと入っていきます。
シロニイが先頭で粘り込みを図るところ、後ろからタイセイモナークが追いかけます。
マカオンドールは前が壁になっていますが、最内を回ったことで無理なくポジションを上げることができています。

その後マカオンドールはやや強引にラチ沿いの狭い隙間を突いていきます。
前にいたピンク帽のリーヴルはもう脚がなく下がっていたところで、マカオンドールはあと少しタイミングが遅れれば前が詰まるところを、間一髪抜け出したという感じです。

そのままマカオンドールはラチ沿いを伸びて、前との差を詰めていきます。
先頭はまだシロニイですが、後続が差を詰めていきます。

マカオンドールは残り100mあたりで先頭ち、最後は外から迫る10番のレクセランスを頭差凌いで、1着でゴールしました。
シロニイは最後力尽きて6着、タイセイモナークは9着でした。

それでは3頭の評価のまとめです。
マカオンドールはゆっくりしたスタートから道中は後方で折り合いに専念し、脚を溜めていました。
3~4コーナーの勝負所でもそとに出せず最後まで内を回る形になりましたが、結果的にそれがプラスになり、ロスなく立ち回れたことで最後の伸びに繋がったように思います。
格上挑戦で、斤量が52キロとハンデが軽かったことも勝因のひとつと見ており、別定戦で相手も強くなる今回は強くは推しづらいという評価です。

シロニイは道中は2番手につけ、3~4コーナー中間で早めに先頭に立つと直線で抜け出して見せ場を作りましたが、残り200mを過ぎたあたりで力尽き、6着でした。
スタミナを生かしたこの馬のレースはできており、ここから大きな上昇は見込みづらそうです。

タイセイモナークは道中は先行集団の内をロスなく立ち回っていましたが、直線では伸びあぐねていました。
この次の3勝クラスの松籟ステークスでは逃げて見せ場を作りましたがそれでも4着でしたので、さすがに重賞は荷が重い印象です。

以上が万葉ステークス出走の各馬の評価となります。

以上、3つのレースを回顧してみました。
これまでの各馬の分析内容から、今回の阪神大賞典で好走が期待できる推奨馬を、このように選ばせて頂きました。

推奨度Aはディープボンドにしました。
実績最上位、コース適正も最上位のこの馬を、素直にA評価としました。
推奨度Bはユーキャンスマイルにしました。久しぶりの適正舞台での巻き返しに期待して、B評価としました。
推奨度Cはアイアンバローズとトーセンカンビーナの2頭を挙げておきます。

あとは枠順や当日の馬場状態、オッズなども考慮して、最終的な買い目を決定したいと思います。

 

 

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