皐月賞2022 キラーアビリティ ドウデュース イクイノックス ダノンベルーガ(レース分析)

 

今回は、4月17日に中山競馬場で行われます、GⅠ「皐月賞」を分析していきます。
主な出走予定馬の近走のレース内容を分析して、有力馬を絞り込んでいきたいと思います。
ぜひ参考にして頂ければと思います。

まずは登録馬をご覧ください。
想定人気順に並べてあります。
キラーアビリティ、ドウデュース、イクイノックス、ダノンベルーガ
あたりが上位人気想定となっています。

これらの馬の過去レース分析として、この4つのレースを回顧していきたいと思います。
想定人気が上位の馬が出走しているレースを主に選びました。

まずは弥生賞を振り返ります。
このレースの出走馬からは、こちらの6頭が皐月賞に登録しています。

ちなみにこの動画では、パトロールビデオの映像を主に引用しています。
まずはスタートです。
1枠1番のジャスティンロックはゆっくり目のスタートですが大きな遅れではなく、他の5頭もまずまずのスタートです。

1コーナーではこのような隊列になっています。
どの馬も出だしは行きたがるのを抑えてる感じですが、その中でアクビクターモアが外から先行していきます。

スタートから1000mは61秒1とスローペースで進んでいます。
後方の内に閉じ込められてしまったマテンロウレオなどには苦しい展開となっています。

そしてこちらは3コーナーですが、前半は最後方にいたロジハービンが残り1000mを過ぎたあたりから加速して、このあたりでは外をまくって中団まで押し上げています。
このロジハービンの動きにより、まず白い帽子のジャスティンロックが前をカットされて、ジョッキーが軽く立ち上がっています。

そしてそのすぐ後の3~4コーナー中間では、内に寄ってくるロジハービンと、外に出してくるボーンディスウェイの2頭に、ドウデュースが
挟まれる形になり、少し位置を落とします。
そしてドウデュースのすぐ後ろにいたラーグルフもその煽りを食らい、ブレーキを踏む形になってしまいました。
また、後方の内にいるマテンロウレオは、前のメイショウゲキリンが進んでいかず、避けようにも外にも馬がいて動くに動けず、こちらも位置を落としています。
先行するアスクビクターモアとボーンディスウェイ以外は、この3コーナーから4コーナーにかけての流れの中で、何らかの不利を受けている状態になっています。
各馬4コーナーから直線へと向かっていきます。

直線入口ではアスクビクターモアが先頭に立とうかというところに、外からボーンディスウェイが食らいつき、その2頭の狭い間からドウデュースが首を突っ込もうとしています。ジャスティンロックは外に持ち出しています。後方のマテンロウレオとラーグルフはすでに上位争いは厳しく、無理には追っていない様子です。

坂を上り残り100mのあたりではアスクビクターモアが抜け出して先頭で、そこにドウデュースが脚を伸ばして差を詰めようとしています。外からはボーンディスウェイとジャスティンロックも伸びてきています。

最後はアスクビクターモアが粘り切って1着でゴールしました。
ドウデュースがクビ差の2着で、ボーンディスウェイは3着、ジャスティンロックは4着でした。以下、マテンロウレオは10着、ラーグルフは11着でゴールしています。

それでは6頭の評価のまとめです。
アスクビクターモアは外枠から先行し2番手でレースを進めました。掛かりながらもスローの流れで脚を溜め、直線で抜け出すと最後まで粘り切りました。
後方で不利を受ける馬が多い中で、この馬は影響を受けず比較的スムーズに立ち回れていたと思います。
レース内容は目立つものではないですが、コース適正と先行脚質は武器になりそうです。

ドウデュースは好位につけて前半は比較的スムーズでしたが、3~4コーナーで挟まれて位置を落とし包まれる形になってしまいました。
それでも直線では他馬と接触しながらも力強く抜け出し、勝ち馬にクビ差まで迫っての2着と、前哨戦としては上々の内容だったと思います。
レースセンスが高く、かつ今回厳しいレースを経験できたことも本番ではプラスに働きそうです。非常に期待の大きい1頭です。

ボーンディスウェイは道中は逃げ馬の後ろにつけ、内をロスなく立ち回れていました。3~4コーナー中間あたりから徐々に外に持ち出し、直線では馬場の外目から前を追いましたが届きませんでした。
このクラスではキレが足りない印象で、GⅠでは厳しい戦いになりそうです。

ジャスティンロックはゆっくり目のスタートから前半は後方の内を追走し、向こう正面半ばで外に出して位置を上げていきましたが、3コーナーで不利を受けて少しブレーキを踏む形になってしまいました。それでも最後は良い脚を使っており、見せ場は作れていました。
スタートがゆっくり目なので、本番でも前半の位置取りが課題になりそうです。休み明けを一度使った上積みは期待できると思います。

マテンロウレオは後方の内につけましたが、スローペースの中で終始力みが見えました。3~4コーナーの勝負所でも前の馬が進まず外も壁で動くに動けず、流れに乗れないまま終わってしまったという感じでした。
力負けではないので結果は度外視でき、展開が向けば上昇できそうですが、それでもGⅠでは勝ち負けまでは難しい印象です。

ラーグルフは中団につけましたが、3~4コーナーでブレーキを踏む形になり、後方に下がってしまいました。勝負所での減速は致命的で、流れから取り残されたまま最下位でのゴールとなりました。
不利を考慮すれば、着順ほど上位と力差はないと思いますが、皐月賞で上位争いに加わるにはホープフルステークスのような立ち回りが求められると思いますので、内枠がほしいところです。

以上が弥生賞出走の各馬の評価となります。

次は共同通信杯を振り返ります。
このレースの出走馬からは、こちらの3頭が皐月賞に登録しています。

ちなみにこの日の馬場は稍重となっています。
まずはスタートです。
5枠5番のジオグリフは好スタートです。
7枠8番のビーアストニッシドは少し外に膨れながらのスタートになっています。
8枠10番のダノンベルーガはそろっとゲートを出た感じですが、出てからのスピードの乗りは良かったようです。

スタートから600mあたりではこのような隊列になっています。
ビーアストニッシドが先頭でレースを引っ張っています。
ジオグリフはスタート後しばらくは行きたがる様子を見せていましたが、この時点では前に馬を置いて落ち着いています。
ダノンベルーガは中団外目で、こちらも前に馬を置いて折り合っています。

3~4コーナー中間あたりでも隊列に大きな変化はなく、淡々とレース進みます。
ここまでの1000mは61秒1で、馬場を考慮してもゆったりしたペースです。

そして直線に入っていきます。
ビーアストニッシドが依然先頭で、後続を突き放しにかかろうかというところです。
ダノンベルーガは大外に出して仕掛けのタイミングを計っています。
ジオグリフは馬群の真ん中で前が壁になっています。

その後ジオグリフは前の2頭の間、1頭分のスペースをすり抜けて、進路を確保しています。
各馬あとは追うだけという状況です。

残り200mではビーアストニッシドが内ラチぴったりで粘り込みを図っていますが、外からダノンベルーガが豪快に伸びてきています。
ジオグリフも真ん中から脚を伸ばしてきますが、ダノンベルーガの脚色が優勢です。

最後はダノンベルーガが突き抜けて1着でゴールしました。
ジオグリフは2着で、逃げたビーアストニッシドは3着でした。

それでは3頭の評価のまとめです。
ダノンベルーガは道中は中団外目につけ、馬の後ろで折り合いをつけて脚を溜められていました。
直線では馬場の外目を力強く駆け上がり、最速の上がりで突き抜けての快勝でした。かなり高いポテンシャルを感じさせる内容だったと思います。
東京コースで2戦2勝と、まだキャリアが浅く小回り適正も未知ですが、キレとパワーを併せ持ち、中山コースのタフな部分は合いそうですので、注目しています。

ジオグリフは前半は行きたがる素振りを見せましたが、馬の後ろにつけるとすぐに折り合って、道中は落ち着いて走れていました。
直線では狭い隙間から抜け出し良い脚を使いましたが、ダノンベルーガの末脚が勝り、相手が強かったようです。
デビュー2連勝のあと2連敗と、やや底を見せた感はありますが、末脚は確実な馬ですので、立ち回り次第では上位を狙える1頭だと思います。

ビーアストニッシドはゆったりとした逃げで余力を残し、直線でも最後まで良い粘りを見せていました。この次のスプリングSでもマイペースで逃げて勝利し、力のあるところを見せました。
安定した成績を残している割に人気になりにくく、妙味はありそうです。先行脚質で中山も合っており好走条件はまずまず揃っていますが、岩田康誠騎手が継続騎乗できない点はマイナスで、その分評価を落としたいと思います。

以上が共同通信杯出走の各馬の評価となります。

 

 

次はホープフルステークスを振り返ります。
このレースの出走馬からは、こちらの8頭が皐月賞に登録しています。
ここでは、キラーアビリティとジャスティンパレスの上位2頭を中心に振り返りたいと思います。

まずはスタートです。3枠5番のキラーアビリティはまずまず良いスタートです。
5枠8番のジャスティンパレスはややタイミングの合わないスタートですが、大きな遅れにはなっていません。

1コーナーではこのような位置取りになっています。
キラーアビリティは3番手の内の絶好位で、折り合いもついているように見えます。
ジャスティンパレスはその後ろで、こちらはやや力みを見せながらの追走となっています。

スタートからの1000mは60秒1で平均ペースです。
キラーアビリティは変わらず3番手を追走しています。
ジャスティンパレスは中団馬群の中で、この頃には折り合いもつき落ち着いて走れています。

こちらは3~4コーナー中間あたりです。
キラーアビリティは外に持ち出し、いつでも進出できる位置を確保しています。
ジャスティンパレスはその後ろで、位置としては悪くなさそうですが、ジョッキーの手が動き始めています。

そして4コーナーから直線へと入っていきます。
キラーアビリティは外から前の馬に並びかけていきます。
ジャスティンパレスはそのすぐ後ろから前を追いかけます。

こちらは残り200mあたりですが、ジャスティンパレスはジョッキーが左ムチを入れると内に寄れてしまいます。
そのあとムチを持ち替えて右ムチを入れると、今度は必要以上に外に寄れ、蛇行するような形になっています。
その間にキラーアビリティは着実に脚を伸ばし、先頭に立っています。

結局キラーアビリティがそのまま押し切り、1着でゴールしました。
ジャスティンパレスはそこから1馬身半遅れて2着でゴールしています。

それでは2頭の評価のまとめです。
キラーアビリティは3番手の絶好位を確保し、前半は内を回ってロスを最小限に抑え、折合いもついて十分に脚を溜められていたように見えました。後半は徐々に外に持ち出し、直線で抜け出すとしっかり伸びて勝利しました。完璧な立ち回りだったと思います。
すべてが上手くいったレースだった分、気性面の若さが出たときや、揉まれたときなどに不安は残りますが、能力には疑いがなく、有力な1頭だと思います。

ジャスティンパレスは前半はやや行きたがっていましたが、馬群の中で折り合いをつけていました。直線ではムチに反応して蛇行してしまいましたが、それでも2着と力はあるようです。
メンタル・フィジカルともにまだ若さが見える内容で、それがどれだけ改善しているかがポイントになりそうです。当面は様子を見て良化を待ちたいと思います。

以上がホープフルステークスの上位入着馬2頭の評価となります。

最後の過去レース回顧は東京スポーツ杯2歳ステークスです。
このレースの出走馬からは、こちらの3頭が皐月賞に登録しています。
ここではイクイノックスとダンテスヴューの上位2頭を中心に振り返りたいと思います。

まずはスタートです。
1枠1番のイクイノックスは良いスタートを切っています。
8枠12番のダンテスヴューはゆっくり目のスタートです。

スタートから200mあたりでは2頭とも後方で、同じような位置につけました。
ダンテスヴューは外枠からうまく内に切れ込んでいます。

ダンテスヴューは前半はやや行きたがるそぶりを見せましたが、3コーナー手前あたりでは落ち着いているように見えました。
イクイノックスは終始折り合いがついてリラックスして走れているように見えます。
ここまでの800mは48秒6でスローペースできています。

3~4コーナーでも大きな動きはないまま、各馬直線へと入っていきます。
2頭はまだ後方ですが、白い帽子のイクイノックスが外に出そうとしているのに対し、ピンク帽のダンテスヴューは内を選択しています。

イクイノックスは前が壁でしたが、比較的スムーズに外に出せて、進路を確保できました。ダンテスヴューは内から前との差を詰めようとしています。

イクイノックスは馬場の外目から徐々に加速し、残り300mあたりでムチを入れてスパートをかけます。
するとイクイノックスは一気に加速し、残り200mを過ぎたあたりではもう前の馬を飲み込もうかという勢いです。
ダンテスヴューも内から伸びてはいますが、上位馬の末脚にはついていけません。

最後はイクイノックスが突き抜けて、1着でゴールしました。
ダンテスヴューはこの後ろの4着でゴールしています。

それでは2頭の評価のまとめです。
イクイノックスは道中は後方の内をじっくり進み、脚を溜めていました。直線では一瞬前が壁になりましたが、難なく外に持ち出し、残り300mあたりでスパートすると、そこから一気に突き抜けての快勝でした。
上がり32秒9の極上の切れ味と、折合いの心配がいらない点はアドバンテージで、能力は最上位だと思います。
ただレース間隔が5カ月近く開いており、ダービー狙いの感がある臨戦過程ですので、その点を今回は若干割り引きたいと思います。

ダンテスヴューも道中は後方をゆったり進んでいました。直線では最内を選択し、この馬なりに脚を使ってはいましたが、スローで前の馬にも余力があり流れが向かず、上位馬には切れ負けしました。
まだ成長過程で良化は確実だと思いますが、GⅠではまだ厳しい印象です。

以上、4つのレースを回顧してみました。
これまでの各馬の分析から、今回の皐月賞で好走が期待できる推奨馬をこのように選ばせて頂きました。

推奨馬Aはドウデュースにしました。
レースセンスが高くどんな展開でも確実に末脚が使えそうな総合力と、臨戦過程を評価して、A評価としました。
推奨度Bはイクイノックスとキラーアビリティにしました。
推奨度Cはダノンベルーガ、ジオグリフ、アスクビクターモアの3頭を選びました。
また注目穴馬として、内枠に入ったときのラーグルフを挙げておきます。

以上、2022年の皐月賞の出走予定馬を、過去の参考レースを元に分析してみました。
最後までご視聴頂きまして、ありがとうございました。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket